2025年12月5日に行われた最終抽選で、欧州王者スペインはグループHに入った。同組には、アフリカのカーボベルデ(W杯初出場)、アジアのサウジアラビア(3大会連続)、そして南米の強豪ウルグアイ(14度目)が並ぶ。本記事では、4カ国の予選突破ルート、W杯における歴史的な立ち位置、対戦の構図を整理する。

最終登録メンバー(26名)の発表は開幕約2週間前。本記事は 抽選結果と予選突破までの情報 に基づくチーム解説。詳細な選手分析は最終登録後の別記事で扱う。

グループHの全体像

国 大陸 予選突破日 出場回数
スペイン UEFA 2025年11月 17回目
カーボベルデ CAF 2025年10月13日 初出場
サウジアラビア AFC 2025年 7回目(3大会連続)
ウルグアイ CONMEBOL 2025年 14回目

スペインはポット1(シード国)、カーボベルデはポット2、サウジアラビアはポット3、ウルグアイはポット4からの組み合わせ。カーボベルデは2025年10月のエスワティニ戦(3-0)でアフリカ予選グループDを制覇し、初の本大会出場を決めた。

4カ国の試合日程

日付(JST) カード 会場
6月16日(火) 01:00 スペイン 対 カーボベルデ メルセデス・ベンツ・スタジアム(アトランタ)
6月16日(火) 07:00 サウジアラビア 対 ウルグアイ ハード・ロック・スタジアム(マイアミ)
6月22日(月) 01:00 スペイン 対 サウジアラビア メルセデス・ベンツ・スタジアム(アトランタ)
6月22日(月) 07:00 ウルグアイ 対 カーボベルデ ハード・ロック・スタジアム(マイアミ)
6月27日(土) 09:00 カーボベルデ 対 サウジアラビア Houston Stadium(ヒューストン)
6月27日(土) 09:00 ウルグアイ 対 スペイン エスタディオ・アクロン(グアダラハラ、メキシコ)

スペインは初戦・第2戦ともにアトランタ開催で、最終戦のみメキシコ・グアダラハラ(標高約1,500m)でのウルグアイ戦。ウルグアイにとってこの高地決戦は、南米予選で高地を知り尽くした地の利を活かせる舞台でもある。

チーム別の立ち位置

スペイン — ポット1・欧州王者として来襲

UEFA予選で14試合・失点8という鉄壁の守備力を披露し、ポット1として抽選に臨んだ欧州王者。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いるチームは、Euro 2024を4-3-3の組織的な攻撃サッカーで制覇した。W杯史上初めてレアル・マドリード所属選手が0名という異例の選考が話題を呼んでいる。

キャプテンは2024年バロンドール受賞者のロドリ(マンチェスター・シティ)。中盤にはペドリ(バルセロナ)、ファビアン・ルイス(パリSG)が並び、前線のラミン・ヤマル(バルセロナ、19歳)とニコ・ウィリアムス(アスレティック)の両翼が攻撃の軸となる。ヤマルは16歳でEuro 2024を制した史上最年少MVP。ロドリはACL受傷から復帰を果たし、本大会が初のW杯となる。

W杯では1934年から17回出場し、2010年南アフリカ大会で初優勝。22年カタール大会はラウンド16敗退で、改めてトロフィー奪還を狙う。

予想フォーメーション: 4-3-3(Rodri アンカー、Pedri + Fabián Ruiz インサイドハーフ、Yamal 右・Nico Williams 左・Oyarzabal 9番)

カーボベルデ — 史上初出場の大西洋の島国

人口52.5万人・面積4,033km²(沖縄県の約1.8倍)のカーボベルデが、アイスランドに続くW杯出場で2番目に小さな国として初の大舞台へ。2025年は独立50周年の節目の年でもあった。アフリカ予選グループDを制し、強豪カメルーンを押しのけて突破した。

ブビスタ監督(元代表DF・38キャップ)が率いるチームの柱は、キャプテンのライアン・メンデス(94キャップ・代表最多22ゴール)と、ビジャレアル主力の若手CB・ローガン・コスタ(25歳)。GKのヴォジーニャ(40歳)は代表85キャップのレジェンドで、チームで最も年長の正守護神として初出場の節目に立つ。前線ではストライカーのダイロン・リヴラメント(代表20試合7ゴール)が得点源として期待される。

ポルトガル、オランダ、アメリカなど各国リーグに散らばる多国籍構成が特徴。カーボベルデのアフリカカップ・オブ・ネーションズ最高成績は2013年・2023年のベスト8。W杯では勝ち点1でも快挙、ラウンド16進出なら世界を驚かせる大番狂わせとなる。

予想フォーメーション: 4-3-3(Deroy Duarte アンカー、Jamiro Monteiro + Kevin Piña ミドルフィールド、Ryan Mendes 右・Garry Rodrigues 左・Livramento 9番)

サウジアラビア — 2034年開催国・3大会連続7度目

ヨルゴス・ドニス(ギリシャ人)監督が2025年に就任し、AFC予選を3大会連続で突破した。2022年カタール大会でのアルゼンチン撃破はサッカー史に刻まれる歴史的番狂わせ。2034年W杯開催国として「節目の大会」として位置づけられており、本大会への気運も高い。

絶対的なエースはキャプテンのサレム・アル=ドサリ(108キャップ・26ゴール)。2022年の対アルゼンチン決勝弾で一躍世界に名を知らしめた左ウイングで、34歳でなお代表のシンボルとして立つ。9番のフィラス・アル=ブライカン(アル・アハリ、69キャップ15ゴール)はアジア予選でも5ゴールを奪った主砲。欧州所属の希少存在であるSBのサウード・アブドゥルハミド(ランス、リーグ・アン)は攻撃的な右サイドで個性を発揮する。

スカッドの中核はサウジ・プロフェッショナル・リーグ所属選手が大半で、GKアル=オワイスやCDMカンノーはベテランの安定感をもたらす。過去最高成績は1994年アメリカ大会のラウンド16で、その更新が最大目標。

予想フォーメーション: 4-2-3-1(Kanno + Al-Khaibari ダブルピボット、Al-Dawsari 左・Al-Juwayr トップ下・Yahya 右、Al-Buraikan 9番)

ウルグアイ — 2度の世界王者・Bielsa 体制で14度目

1930年の第1回大会と1950年のブラジル大会を制した2度の世界王者が、マルセロ・ビエルサ(70歳)のもとで14度目のW杯に臨む。2022年カタール大会はグループ敗退の屈辱があり、本大会はリベンジの舞台。CONMEBOL最終予選では7勝7分4敗・28ポイントで4位通過した。

中核は欧州主要クラブのレギュラーが揃う豪華ラインナップ。キャプテンのホセ・マリア・ヒメネス(アトレティコ・マドリード、99キャップ)とロナルド・アラウホ(バルセロナ、191cm)のCBコンビは世界屈指の堅牢さ。中盤はフェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)とマヌエル・ウガルテ(マンチェスター・ユナイテッド)の二枚看板が攻守を支え、エースのダーウィン・ヌニェス(アル・ヒラル、元リバプール)が前線で圧力をかける。39歳GKムスレラは5大会連続出場の偉業に挑む。

ビエルサ体制での高プレス・縦に速い4-3-3は対戦相手に脅威。一方でルイス・スアレスの落選(ビエルサが戦術的理由を説明)がピッチ外での話題となっている。

予想フォーメーション: 4-3-3(Ugarte アンカー、Valverde + Bentancur インサイドハーフ、Max. Araújo 左・Pellistri 右・Núñez 9番)

対戦の歴史

対戦 過去戦績ハイライト
スペイン 対 カーボベルデ 対戦歴なし(初顔合わせ)
スペイン 対 サウジアラビア W杯では未対戦。2002年コンフェデ杯などの親善試合のみ
スペイン 対 ウルグアイ W杯で2度対戦。1950年決勝ラウンド(2-2引き分け)、1990年グループステージ(0-0)。W杯でスペインはウルグアイに敗れたことがない
サウジアラビア 対 ウルグアイ W杯での対戦歴なし
サウジアラビア 対 カーボベルデ 対戦歴なし(初顔合わせ)
ウルグアイ 対 カーボベルデ 対戦歴なし(初顔合わせ)

グループH全体として、カーボベルデが他の3カ国と一度も対戦歴がないなど、現代の編成同士での実績がほとんどない組み合わせ。スペイン対ウルグアイのみW杯での実績があり、1950年大会と1990年大会の計2試合はどちらも引き分けに終わっている。

突破の構図

ポット番号通りなら、シード国スペインが首位通過の最有力候補で、ウルグアイが2位を争うという構図。ただし、

など、各チームに上位を狙える根拠がある。48チーム制では3位上位8チームも進出できるため、4カ国すべてにノックアウトラウンド進出のシナリオが残る。最終節のウルグアイ対スペイン(グアダラハラ・標高1,500m)は、グループの行方を決める大一番になる可能性が高い。

まとめ

最終登録(開幕約2週間前)が発表されたタイミングで、各チームの主力選手とフォーメーション予想を含めた続編を公開予定。